唇を塞がれ
「あれ?」

そういって中を覗き込もうとすると、いきなり手首をつかまれて、口をふさがれる。

「ん!!」

「・・・・・おせー・・・。」

ドアの側で待っていた新一が後ろ手にドアを閉めると、蘭を壁に押し当てた。

そのまま思い切り抱きしめる。

「く。工藤君!足!!」

蘭が真っ赤になって、未だ傷むであろう包帯を巻かれた左足を心配する。

「足なんて・・・いいよ、どーでも・・・。」

「工藤君・・・・。」

「すっげー逢いたかった・・・。」

「ん・・・。」

感触を確かめ合うかのように、全身を密着して新一は蘭の自由を阻む。


「キス・・・していいか・・・?」

「え・・・?」

質問では無かった。

返事を待つことなく、新一は蘭の唇に自分のそれをゆっくりと重ね合わせた。

ただ触れるだけのキスを、名残惜しそうに解くと、また蘭を抱きしめる。

「もー・・・・俺のもんなんだよな・・・・・?」

「うん・・・・。」

「すげー・・・しんじらんねぇ。」

「私だって・・・なんか夢みたい・・・。」


何も尋ねることなく、新一は蘭の唇に再度口付けを送る。

今度は触れるだけでは治まらなかった。

何度も角度を変えて、熱くなる吐息を絡み合わせる。

蘭の後頭部を左手で押さえ込むと、一気に舌をねじ込む。


「ん・・・んんっ!!」

驚いたように身を引こうとする蘭に、それを許さないとばかり強引に体を引き寄せる。

静か過ぎる病棟内に、二人の荒い息遣いだけが響く。

やっと開放されたその可愛らしい唇を尖らせて、蘭が言う。

「く、工藤君たら・・・・。だめだよ、立っちゃ。」

「え。」

「寝てなきゃだめ!足・・・ついたらどうするの!」

そう言うと、また肩を貸してベッドに戻る。


新一をむりやりベッドに寝かしつけると、自分はパイプ椅子に腰掛ける。

「何時間くらいいれんだよ・・・?」

「お仕事はもう終了だから、ちょっとしたら帰るよ。」

「終わり・・・?」

その言葉が、どれだけ危険かと言うことにすら気付かず、蘭はニコニコと新一を眺める。